最近、採用広告を出しても十分に人材が確保できないとお悩みの企業様が増えており、その打開策として外国人雇用を積極的に進める動きがあります。このページでは、外国人を雇用する際にもっとも重要な就労ビザ申請に関する注意点を解説します。

外国人雇用に必要な就労ビザ申請

外国人のビザには,就労制限のあるものと無いものがあります。

就労制限のない種類のビザを持っている外国人は,就労ビザを取得しなくても就労が可能です。例えば,永住ビザや結婚ビザには就労制限はありません。また,就労不可とされているビザでも,アルバイトの許可を別途取得できる留学ビザなどがあります。

ですので,就労ビザが必要な場合とは,

就労制限のあるビザを持っている外国人,または,海外に居住し日本のビザを持っていない外国人を,正社員や契約社員として雇用する場合

です。就労ビザの申請の種類は外国人の状況に応じて決定する必要があり,以下の3パターンに分かれます。

パターン1:在留資格認定証明書交付申請

外国人が海外にいる場合、「在留資格認定証明書交付申請」が必要となります。

「在留資格認定証明書交付申請」を行う際の注意点としては,申請結果までに時間がかかるため,余裕を持って申請準備を始めることです。準備期間や事業規模にもよりますが,約4カ月~5カ月 を目安とするとよいでしょう。

<結果までの期間の目安>
・海外の外国人からの申請書類の受取り+自社での申請書類の作成と収集 : 約1カ月~
・審査期間 : 約3カ月 (上場企業等,一定以上の事業規模の企業は1~2カ月)

【申請者の選択肢】
・外国人を受け入れようとする機関の職員
・外国人本人(外国人が短期滞在ビザなどで来日している場合
申請取次の資格を持つ行政書士または弁護士

パターン2:在留資格変更許可申請

外国人が既に国内に在留しているが,就労資格を持っていない方の場合,「在留資格変更許可申請」が必要となります。

在留資格変更許可申請を行う際の注意点としては,新規に取得する就労ビザの要件(外国人の学歴・職歴と,就労予定の業務内容との関連性etc.)の審査に加え,現在の在留状況の審査も合わせて行われるということです。

とくに,不法就労や不法滞在などの入管法違反や犯罪歴のある方にはビザの変更や更新は認められません。ですので,外国人の雇用を決定する際には,現在および過去の在留状況を可能な限りチェックすることも必要です。

【在留資格変更許可申請の申請者の選択肢】
・外国人本人
・申請取次の承認を受け,且つ,外国人本人から依頼を受けた所属機関の職員
申請取次の資格を持つ行政書士または弁護士

パターン3:在留期間更新許可申請 or 手続不要

外国人が既に就労資格を持っており,採用後もその就労資格に該当する活動を引き続いて行う場合,現在保持しているビザで済ませることができますので,「在留資格変更許可申請」のような手続きは不要です。

しかし在留期間の満了日が間近な場合には「在留期間更新許可申請」が必要になります。

また,転職時には,「契約機関に関する届出」又は「活動機関に関する届出」が義務となっていますので,忘れずに行うことが必要です。

「契約機関に関する届出」又は「活動機関に関する届出」は,外国人本人,または申請取次の資格を持つ行政書士・弁護士がすることが可能です。

(1)現在保持しているビザを利用して雇用する場合:重要な注意点として,「従事させたい業務が,本当にその人のビザで行える業務なのか」ということを十分に確認することが必要になります。

在留資格に該当すると思いこんでいた業務が,実際には該当していなかった場合,次回のビザ更新が不許可になるなどの大きなトラブルが起こるためです。

業務の該当性の確認は,入国管理局で「就労資格証明書」の交付申請を行うことで可能です。就労資格証明書交付申請は義務ではありませんが,後のトラブルを避けるため,強くお勧めする手続きです。

尚,この手続きは申請書類が複雑な上,不交付になる場合も少なくないため,専門家に依頼するのが近道です。

【就労資格証明書の申請者の選択肢】
・外国人本人
・申請取次の承認を受け,且つ,外国人本人から依頼を受けた所属機関の職員
申請取次の資格を持つ行政書士または弁護士

(2)「在留期間更新許可申請」をする場合:転職後の最初の「在留期間更新許可申請」の注意点としては,”転職”という状況変更がある為,「在留資格変更許可申請」に類似した複雑な手続になることです。不許可になる場合も少なくありませんので慎重な準備が必要です。

【在留期間更新許可申請の申請者の選択肢】
・外国人本人
・申請取次の承認を受け,且つ,外国人本人から依頼を受けた所属機関の職員
申請取次の資格を持つ行政書士または弁護士

就労ビザ申請時によくあるトラブル

初めての外国人雇用する企業様がお困りになるトラブルは主に3つあります。

1 外国人に不法就労をさせてしまったことで,自社における就労ビザ申請には一切許可が下りなくなり,今後外国人雇用ができなくなってしまった。

2 就労ビザの要件の確認が不十分であったため,就労ビザが取得できず,採用活動が全て無駄になってしまった。

3 自社で申請をしたが,就労ビザの申請結果を長期間待った挙句に不許可になってしまい,また長期間を再申請に費やすことになってしまった。

まとめ:外国人雇用の前にチェックすべきこと

外国人雇用を進めることで、人手不足が解消されます。しかし、安易に外国人雇用に飛びつくと、知らないうちに不法就労状態になっている可能性もあります。不法就労状態は、就労している外国人だけでなく、会社にも不利益が生じますので注意が必要です。

外国人雇用の前に主にチェックすべきことは,

✔ 日本に居住している外国人を採用する場合は,在留カード等によって,「在留資格」「在留期限」「就労制限の有無」を確認します。

✔ 保持する就労ビザの期限を利用して,入管手続きをせずに雇用する場合,「予定の業務内容がビザの範囲内の仕事であること」をよく確認します。この確認には,「就労資格証明書」交付申請が確実です。

外国人の職歴・学歴が,予定している業務内容と関連性があることを確認します。過去及び現在の在留状況に問題がないこともチェックします。これらの正確な判断には,専門家に相談するのが確実です。

もし、就労ビザ申請に不安や疑問点が残る場合は、お近くの入国管理局や就労ビザ専門の行政書士にご相談することをおすすめします。