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「技術・人文知識・国際業務」ビザ の業務内容の決め方②

先のコラムでは,「技術・人文知識・国際業務」ビザの業務範囲について解説しました。このほかにも,業務内容は外国人の学歴や職歴に関連したものでなければならないという要件があります。

ここでは,外国人の学歴あるいは職歴と関連する業務内容の決め方を解説していきます。

目次

学歴と関連する業務内容の決め方 

外国人が学歴を生かして「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには,次の2つの要件をみたしていることが必要です。

①大学などの卒業資格があること
②専攻科目と業務内容に関連性があること

以下に,①②それぞれについて解説していきます。

① 必要な卒業資格

まずは,ビザの取得に必要な卒業資格を次の表で見てみましょう。

教育機関教育機関の地域ビザの取得
大学・大学院・短期大学国内・海外
専門学校国内
専門学校海外×
高等学校国内・海外×
日本語学校国内・海外×

ここでとくに注目すべきなのは,国内と海外の場合で扱いが異なる点です。

中でも注意が必要なのが専門学校の扱いです。日本国内の専門学校に限ってビザを取得することができます。

また,日本語学校についても注意が必要です。一般に,日本語学校の留学生であればビザを取得できると誤解されがちですが,実際には日本語学校の卒業資格はビザの取得要件を満たしません。ただし日本語学校の学生であっても,母国の大学等を卒業している場合は要件を満たせます。

また,大学等を中退している場合には要件を満たせません。

② 専攻科目との関連性

①の卒業資格を満たしている場合は,次に専攻科目をチェックします。専攻科目の詳細は成績証明書などでチェックすることができます。

それでは,どのような専攻がどのような業務に関連性を認められるのか,許可事例を以下の一覧で見てみましょう。

専攻科目関連する業務
経済学・経営学・商学営業,企画,広報,マーケティング,海外取引業務,財務・会計,経理,管理業務など
機械工学技術開発,設計,生産管理,品質管理など
情報・ITプログラミング,ウエブサイト構築,ネットワーク構築,ソフト開発など
通訳・翻訳通訳・翻訳
観光宿泊プランの企画立案,宣伝など
簿記・会計経理,財務・会計など
建築設計,施工管理,建築積算業務など
服飾/インテリアデザイン服飾/インテリアデザイン

なお,通訳・翻訳業務に限っては,大学・大学院・短大のいずれかを卒業していれば,専攻科目に関わらず従事することができます。一方,専門学校の卒業者の場合は,これに関連する科目(通訳コースなど)を専攻していることが必要です。

専攻科目との”関連性”と言ったとき,どの程度の関連性が必要かということについては非常に曖昧です。結局その判断は入管の裁量にゆだねられるところが大きいのですが,審査基準の一つとして,専門学校の卒業者よりも大学卒業者のほうが関連性が緩やかに審査されるということがあります。実際の許可・不許可事例は入管ホーム―ページで参照することができますので参考にすると良いでしょう。

職歴と関連する業務内容の決め方 

学歴を生かしてビザを取得する外国人が大部分を占めていますが,職歴を生かして取得するケースもあります。学歴が要件に満たない場合には,職歴についてチェックしてみるとよいでしょう。

ビザの取得に必要な経験年数

以下の表は,どの程度の職歴(実務経験年数)があればビザを取得できるのか,「技術・人文知識・国際業務」ビザの3種類の業務内容(「技術」「人文知識」「国際業務」)それぞれについてまとめたものです。

【ビザの取得に必要な実務経験年数】

10年以上10年以上3年以上
「技術」の仕事:
ITエンジニア,技術開発,設計,品質管理など
「人文知識」の仕事:
営業,マーケティング,企画,広報・宣伝,経理,財務・会計など
「国際業務」の仕事:
海外取引,貿易,通訳・翻訳,デザイン,私企業の語学教師など

「技術・人文知識・国際業務」ビザで行う業務内容については,職歴と関連したものであることが必要になります。

なお,上記の実務経験年数には,大学や専門学校,高等学校などで関連する科目を専攻した期間も含めることができます。

学歴や職歴との関連性は,ビザ申請で提出する卒業証明書や成績証明書でチェックされます。関連性の判断ミスで不許可になることは多いので慎重な判断が必要です。

当事務所では,ビザ取得可能性の無料診断を行っています。お気軽にお問い合わせください。

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、業務内容に関すること以外にも満たさなければならない多くの要件があります。これついては、別コラム「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得する方法②ビザの取得要件を参照してください。

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