東京都の方や企業が就労ビザ申請をするのに必要な情報をまとめてみました。ビザ申請の代行を検討する場合や,ご自身で申請する場合の参考にしてください。
東京都の方が申請できる場所
ビザ申請できるのは,以下のいずれかを管轄する入管です。
- 外国人本人の住居地(国内の方の場合)
- 来日後の居住予定地(海外の方の場合)
- 外国人を受入れている機関(企業・学校等)の所在地
東京都の方の場合は東京出入国在留管理局(本局),または立川出張所で申請することが可能です。
東京都の方が申請できる入管
- 東京出入国在留管理局 本局
- 東京出入国在留管理局 立川出張所
東京出入国在留管理局の情報
所在地 | 〒108-8255 東京都港区港南5-5-30 |
電話・FAX | 0570-034259 (IP電話・海外から : 03-5796-7234) |
窓口受付時間 | 9時~16時 (土・日曜日、休日を除く) |
東京出入国在留管理局へのアクセス
●JR品川駅港南口からバスで約15分(東京出入国在留管理局前下車)
●東京モノレールの天王洲アイル(南口)又はりんかい線(埼京線乗入)の天王洲アイル(A出口)から徒歩15分
庁舎の駐車場に限りがあるため、自家用車での来所は控えるよう案内があります。
東京出入国在留管理局 立川出張所の情報
所在地 | 〒186-0001 東京都国立市北3-31-2 立川法務総合庁舎 |
電話・FAX | 042-528-7179 |
窓口受付時間 | 9時~16時 (土・日曜日、休日を除く) |
東京出入国在留管理局 立川出張所へのアクセス
●JR立川駅北口からバスで約10分
入管への問い合わせ方法
ビザ申請に不明な点があるときは,以下①または②に問い合わせます。
【ビザ申請に関する問い合わせ先】
① 地方出入国在留管理局(上記の本局,出張所など)
② 外国人在留総合インフォメーションセンター(電話:0570-013904)
①は,電話または窓口での相談になります。ビザの審査をする入管職員に直接質問することができます。
②は,電話,窓口,メールのいずれかの方法で相談できます。多言語対応が可能で,日本語が堪能な外国人が対応してくれることもあります。
なお,②は申請書の書き方や必要書類に関する一般的な質問のみ可能ですので,ビザの審査にかかわることや個別の事情に踏み込んだ相談などは,入管職員が対応する①に問い合わせる必要があります。
入管に電話がつながらない場合の対処法
入管の電話は常時混み合っており,何度掛けても繋がらないことが多くあります。そのためにビザ申請の準備が進まない,と言って困り果ててしまう方を度々見かけます。
以下に,そのような場合の対処法を挙げてみます。
- ・他の入管に電話する
-
本来であればビザ申請をする予定の入管に問い合わせるのが一番安心です(審査官によって見解が異なる場合があるため)。しかし,急いで質問をしたい場合には,その他の入管(本局や出張所)に問い合せてみるとよいでしょう。
また,申請書類の記入方法などの一般的な質問であれば,比較的電話がつながりやすい外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせるとよいでしょう。
- ・入管の窓口に直接出向く
-
窓口に出向くのは多くの時間と労力を要しますが,書類などを持参し細かな事情を説明しながら対面で相談すれば,電話よりも確実で,より多くの情報を得られるでしょう。急がば回れ,ということで入管に出向く時間が取れる方には最もおすすめの方法です。
- ・行政書士に相談する
-
相談費用がかかるかもしれませんが,時間と労力の大幅な節約になります。行政書士によって知識や経験の量はさまざまですので,信頼できる行政書士を選ぶことが重要です。
ビザの申請方法
ビザの申請方法は,ビザ申請の種類によって異なります。
主なビザ申請は,①海外からの呼び寄せ(ビザの新規取得),②ビザの変更,③ビザの更新の3つです。
以下に,それぞれの申請方法を解説していきます。
① 海外からの呼び寄せの手続き(ビザの新規取得)
海外にいる外国人は日本のビザをまだ持っていません。したがって,彼らを呼び寄せる場合は新規にビザを取得する手続きが必要です。この手続きを正式には「在留資格認定証明書交付申請」といいます。
申請する場所
居住予定地,または受入れ機関(企業や学校等)の所在地を管轄する入管。
東京都の方が申請できる入管は,東京出入国在留管理局の本局,または立川出張所です。
申請できる人
外国人を受け入れる企業や機関が代理人となって申請します。
また,行政書士に申請代行を依頼することも可能です。行政書士に依頼するメリットや費用は後ほど解説していきます。
【申請できる人】
- 受入れ機関(企業,監理団体等)の職員
- 行政書士,弁護士などの取次者
- 外国人本人(短期滞在ビザなどで来日している場合)
申請のタイミング
入国以前に在留資格認定証明書の交付を受けられるように,余裕を持って申請することが必要です。
【申請のポイント】 在留資格認定証明書交付申請は,審査に1カ月~3カ月と長期間かかるため,余裕を持って申請準備を進めることが必要です。審査期間のほかに申請準備に必要な期間も考慮し,申請準備+審査期間=合計4〜6カ月程度見込んでおくとよいでしょう。
必要書類
必要書類は,取得する就労ビザ(在留資格)の種類によって異なります。以下の在留資格名をクリックしてご覧いただけます。
【就労資格】
審査期間
入管が公表している標準審査期間は1カ月~3カ月ですが,実際には3カ月以上かかることも多くあります。
申請にかかる費用
申請手数料は無料です。
ただし,結果の受け取りのための返信用封筒(簡易書留用)に,必要額の切手を貼付する必要があります。
結果の受領方法
結果の受領方法は,許可の場合と不許可の場合で以下のように異なります。
申請結果の受け取り方は,別コラム「不許可に備えるビザ申請結果の受け取り方」で詳しく解説しています。
② ビザ変更の手続き
国内にいる外国人は既に何らかのビザを持って滞在しています。したがって,滞在中に就職や結婚などの事情変更が生じ,他のビザで滞在したい場合にはビザの変更(在留資格変更許可申請)が必要です。
申請する場所
申請人の住居地を管轄する入管。
東京都の方が申請できる入管は,東京出入国在留管理局の本局,または立川出張所です。
申請できる人
- 外国人本人
- 取次ぎの承認を受けている受入れ機関の職員(受入れ企業,監理団体,登録支援機関,学校等の職員)
- 行政書士,弁護士
申請のタイミング
在留資格の変更の事由が生じたときから在留期限までに申請します。
【申請のポイント】 在留資格変更許可申請は,審査に1カ月程度かかることも多いため,余裕を持って申請準備を進めることが必要です。審査期間のほかに申請準備に必要な期間も考慮し,申請準備+審査期間=合計2カ月程度見込んでおくとよいでしょう。ただし,特定技能ビザの場合は書類の分量が多いため,この2倍以上の期間を見込んでおく必要があります。
必要書類
必要書類は,取得するビザ(在留資格)の種類によって異なります。以下の在留資格名をクリックしてご覧いただけます。
【就労資格】
審査期間
約2週間〜1カ月(※特定技能ビザの場合は,これよりも長くかかる場合があります)
申請にかかる費用
許可の場合は4000円分の手数料を収入印紙で納付する必要があります。
結果の受領方法
結果受領の日時が書かれたハガキが届いたら,指定の期日に入管の窓口で結果を受け取ります。
当日の手続きは,許可の場合と不許可の場合で以下のように異なります。
※オンライン申請の場合は,メールと郵送で全ての手続きを済ませられる場合があります。
申請結果の受け取り方は,別コラム「不許可に備えるビザ申請結果の受け取り方」で詳しく解説しています。
③ ビザ更新の手続き
ビザの期限(在留期限)が近付いたらビザの更新(在留期間更新許可申請)が必要です。在留期限を一日でも過ぎると,オーバーステイ(不法滞在)となってしまうので注意が必要です。
申請する場所
申請人の住居地を管轄する入管。
東京都の方が申請できる入管は,東京出入国在留管理局の本局,または立川出張所です。
申請できる人
- 外国人本人
- 取次ぎの承認を受けている受入れ機関の職員(受入れ企業,監理団体,登録支援機関,学校等の職員)
- 行政書士,弁護士
申請のタイミング
在留期限の3か月前から申請を受け付けてもらえます。
【申請のポイント】 在留期間更新許可申請は,在留期限の3か月前から申請可能です。万が一不許可となった場合でも,在留期限内に余裕を持って対処(再申請等)できるよう,できるだけ早めに申請するのがポイントです。
必要書類
必要書類は,取得するビザ(在留資格)の種類によって異なります。以下の在留資格名をクリックしてご覧いただけます。
【活動資格】
審査期間
約2週間〜1カ月(※特定技能ビザの場合は,これよりも長くかかる場合があります)
申請にかかる費用
許可の場合は4000円分の手数料を収入印紙で納付する必要があります。
結果の受領方法
結果受領の日時が書かれた通知(ハガキの場合が多い)が届いたら,指定の期日に入管の窓口で結果を受け取ります。
当日の手続きは,許可の場合と不許可の場合で以下のように異なります。
※オンライン申請の場合はメールと郵送で全ての手続きを済ませられる場合があります。
申請結果の受け取り方は,別コラム「不許可に備えるビザ申請結果の受け取り方」で詳しく解説しています。
オンライン申請
窓口で申請するほか,オンラインでの申請も可能です。窓口申請に費やす多大な時間と労力を節約できるメリットは大きいですが,外国人本人が申請する場合にはICカードリーダーが必要になるなど手軽さに欠ける面もあります。
また,外国人労働者を受入れている企業もオンライン申請をすることも可能です。その場合は,あらかじめ入管に利用申出をし,利用の承認を受ける必要があります。
オンライン申請の詳しい情報は入管ホーム―ページをご覧ください。
ビザ申請代行サービスの利用
ビザ申請は,行政書士(または弁護士)に依頼することも可能です。
現在はzoomなどでのオンライン相談や,オンラインによる申請代行が普及しているため,地域を問わず,全国の行政書士に依頼することも可能です。
ビザ申請は難易度の高い手続きですので,自身で申請する場合は多大な労力と時間がかかる場合も多く,何とか申請できたとしても許可を得られるとは限りません。
就労ビザの許可率は約6割,永住ビザの許可率は約5割にとどまります。
しかし,これを行政書士に依頼する場合,許可の可能性が大幅にUPする可能性があります。また,書類の作成から結果受領まで一括してビザ申請を委託することができるため,時間と労力の節約にもなるでしょう。
ビザ申請代行の費用
ビザ申請代行の依頼を検討しているけれど,費用が気になるという方は多いのではないでしょうか。
行政書士の場合,ビザ申請代行の料金は,申請の種類やビザの種類に応じて設定されているのが通常です。
料金設定は行政書士によって異なり,以下のように幅があります。
【ビザ代行料金の相場】
・ビザの変更/海外からの呼寄せ…7~15万円程度
・ビザの更新…2~6万円程度
このように料金に大きな幅があるのは,行政書士によって仕事の仕方や考え方に違いがあるからです。
高度な専門知識を生かし,顧客からのヒアリングを重ねながら確実な書類を作成する行政書士がいる一方で,法的なチェックを十分に行わず,書類の体裁を整えることだけに注力する行政書士もいます。
前者のほうが高額で,後者のほうが安価な傾向がありますが,許可の可能性としては当然,前者のほうに軍配が上がります。
費用は大変気になる点だと思いますが,難易度が高いビザ申請でスムーズに許可を得るには,行政書士の”質”も非常に重要なポイントになるでしょう。
行政書士の選び方
ビザ申請代行を依頼する行政書士を選ぶとき,ネットで検索すると数え切れないほどのホームページがヒットし,どれを選んだらよいか分からない,という声をよく聞きます。
また,行政書士の比較サイトなどもあるようですが,実際,そのようなサイトに登録している行政書士はごく一部です。あくまでも,その中での比較になるので過信するのは禁物でしょう。
ここで,ビザ申請を任せる行政書士の選び方について重要なポイント2つお伝えしたいと思います。
- ポイント①ビザ申請が専門の行政書士を選ぶ
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行政書士の業務分野は多岐にわたり,いくつかの分野を兼業している行政書士が大半です。
ビザ申請の代行を依頼する場合は,数ある分野の中でもビザ申請を専門にしている行政書士を探すことをおすすめします。さらに言えば,その中でも就労ビザに強い行政書士に依頼できると安心です。
ビザ申請は難易度が高い手続きであるため,行政書士の専門性の度合いが,手続きのスピードや申請結果に大きく影響します。
行政書士の専門性のレベルを判断するには,行政書士の実績(セミナー実績,出版実績など)も目安になります。
- ポイント②ビザ申請の経験年数で選ぶ
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ビザ申請が専門であるといっても,開業まもない行政書士では心もとないかもしれません。
自身の大切なビザ申請を任せるには,ビザ申請を専門とする行政書士として少なくとも3年以上の経験がある行政書士を選ぶほうが安心だと思われます。
しかし,昨今では外国人雇用の普及に伴い,ビザ申請を手がけはじめる行政書士が急増している一方で,長年業務を継続している事務所は少ないのが実情です。
このような点をふまえると,経験年数をしっかり確認してから依頼することも大切です。
専門分野や経験年数について,個々の行政書士のホームページで確認するのが難しい場合は,東京都行政書士会のホームページで行政書士を検索してみるとよいでしょう。専門分野や登録年月日を知ることができますので,専門性や経験値を知る目安になります。