ここでは,申請の必要書類と依頼できる専門家について簡単に解説していきます。特定技能ビザの申請書類は大変煩雑で,準備に多大な手間と時間がかかるため,行政書士などの専門家を利用して手続きを行うケースがほとんどです。
目次
必要書類の概要
特定技能ビザの必要書類は大きく3つに分けられます。
①申請人(外国人本人)に関する書類
②所属機関(受入企業)に関する書類
③分野(受入企業の業種)に関する書類
なお,②の所属機関の書類は,事業規模によって必要書類が異なります。
①申請人(外国人本人)に関する書類
各書類の解説は,書類名をクリックしてご覧ください。入管ホーム―ページでは,書式や記載例をご覧いただけます。
申請書
全部で7枚ありボリュームがあります。全ての項目を不備なく記載する必要があります。
特定技能外国人の報酬に関する説明書
外国人本人に日本人と同等以上の給料が支払われることを確認する書類です。比較対象となる日本人労働者の給与等について詳細を記載しなければなりません。
特定技能雇用契約書の写し
雇用契約書には,特定技能で決められた内容を盛り込まなければなりません。また,外国人が理解できる言語の書面も必要とされており,法務省ホームページで各言語の翻訳版をダウンロードできます。
雇用条件書の写し
上記の雇用契約書の添付書類です。給与や休日、勤務時間など細かな雇用条件を記載します。労働法を遵守した内容であるとともに,外国人が理解できる言語で記載してあることが必要です。
賃金の支払
外国人の基本賃金や手当の額,賃金支払時に控除する費用などを記載します。申請人が十分に理解できる言語での記載が必要です。
雇用の経緯に係る説明書
外国人の雇用に関し,日本国内の職業紹介事業者や海外の取次業者のあっせんを受けたかどうかや,その費用等を記載する書類です。賃金規定に基づき報酬を決定した場合には賃金規定を添付します。
徴収費用の説明書
食費や住居費,水道光熱費など,外国人から徴収する費用についての詳細を記載します。
健康診断個人票
外国人の健康診断に関する書類です。入管ホーム―ページで公開している書式を使うことが可能です。診察項目に不足がなければ利用しなくてもOKです。外国で受診した場合は、日本語訳の添付が必要です。
受診者の申告書
外国人の健康診断について,通院歴、入院歴、手術歴、投薬歴の全てを医師に申告した上で医師の診断を受けたことを誓約する書類です。
1号特定技能外国人支援計画書
外国人への支援内容の詳細を記載する書類です。制度を熟知していないと正確に作成するのは困難です。外国人の支援を登録支援機関に委託する場合は、作成のサポートを受けられます。
登録支援機関との支援委託契約に関する説明書
外国人の支援を登録支援機関に委託する場合に提出が必要です。支援の委託料や委託期間を記載します。
二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類
特定の国籍のみ提出が必要です。令和4年3月現在,対象の国籍は、カンボジア、タイ、ベトナムです。
その他
以下は留学ビザから特定技能ビザに変更する場合など,在留資格変更をする場合に追加で必要になる書類です。
・外国人本人の直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
・外国人本人の給与所得の源泉徴収票
・外国人本人の国民年金保険料領収証書の写しまたは被保険者記録照会
・公的義務履行に関する誓約書(税金等の滞納がある場合のみ)
②所属機関に関する書類
前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」において、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある規模の大きな会社等,一定の条件を満たす会社は以下の書類は免除されます。
なお,以下の書類は,入管ホーム―ページにて書式や記載例をご覧いただけます。
特定技能所属機関概要書
役員名やこれまで雇用した外国人労働者について記載します。自社で外国人の支援を行う場合は、支援体制についても詳細を記載します。
登記事項証明書
法務局で取得します。取得後3カ月以内のものが必要です。
業務執行に関与する役員の住民票の写し
マイナンバーの記載がなく、本籍地の記載があるものに限ります。
特定技能所属機関の役員に関する誓約書
特定技能外国人の受入れに関する業務執行に関与しない役員がいる場合にのみ提出します。
労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
労働保険の適用事業所でない場合には、労災保険に代わる民間保険の加入を証明する書類の提出が必要です。
社会保険料納入状況回答票又は健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
申請の日の属する月の前々月までの24か月分が必要です。
税務署発行の納税証明書(その3)
税目は「①源泉所得税及び復興特別所得税」「②法人税」「③消費税及び地方消費税」
③分野(業種)に関する書類
受入れ企業の分野(業種)ごとに提出が求められる書類です。分野別の必要書類の詳細は下記のリンクよりご確認いただけます。
申請を依頼できる専門家
特定技能ビザ申請の代行は,①行政書士・弁護士または②登録支援機関のいずれかに依頼することができます。それぞれ代行できる範囲が異なるので注意が必要です。
①行政書士・弁護士※…書類作成から申請代行まですべての申請手続を代行
※入管の承認を得ている行政書士/弁護士に限ります。
②登録支援機関※…申請代行のみ(書類作成代行は不可)
※入管の承認を得ている登録支援機関に限ります。
登録支援機関は行政書士と異なり,書類作成の代行業務はできません。書類の作成代行は法令違反(行政書士法違反)になるので注意が必要です。
当事務所では,申請を検討している企業向けに無料相談を行っています。お気軽にお問い合わせください。